とろみ付けの重要性(2)
とろみ付けの重要性(2)
~とろみのキーワードは「均質」~
監修:管理栄養士 髙﨑 美幸 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社
3.均質なとろみ作りのポイント
とろみ剤は便利に使えますが、均質なとろみにするにはコツが必要です。
大きく3つに分けて紹介しましょう。
上手にとろみを付けるコツ① 分量
とろみが“ゆるすぎてサラサラ”していたり、“粘りすぎてのどに張り付く”状態では、どちらも誤嚥のリスクを増す場合があります。
●とろみ剤の量を調整する
とろみ剤が多すぎると飲み物が硬くなり、逆に少なすぎると十分なとろみが付かないことがあります。
その人に適したとろみ加減(粘度)は、「どんなものを+どんな姿勢で+どのくらいの量を飲んだときにむせるのか」が基準となり、一人ひとり異なります。医師、看護師、管理栄養士、歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士などの専門家に相談しましょう。
●適量を一度に使う
一度とろみ剤を入れた後に再びとろみ剤を加えると、とろみが付き始めているところに、とろみ剤を追加することになるので、ダマになってしまいます。
一度に適切な分量を入れて素早くかき混ぜ、途中で追加することがないように気をつけましょう。
●もし失敗しても慌てないで・・
とろみの付け具合に失敗しても、次のようにカバーすることができます。
上手にとろみを付けるコツ② 溶かし方
●ダマにならないように溶かす
ダマにならないように丁寧に溶かしましょう。
スプーンをくるくる回すだけでなく、上下左右にも動かすのがコツです。
もしダマが残ってしまった場合は、安全のために必ず取り除きましょう。また、先にカップなどにとろみ剤を入れてから、お茶などを注ぐことでダマができにくく、均質なとろみが作りやすくなります。
●とろみが付くまで待つ
とろみ剤は粘度が出るまでに時間がかかります。
早いもので2分ほど、通常は5分程度待つと、とろみがしっかり安定します。
待ち時間を無視して「ゆるすぎる」と勘違いし、とろみ剤を追加しないように気をつけましょう。
追加するとダマになったり、最終的にとろみが強すぎたりしてしまうなど失敗の原因となります。
上手にとろみを付けるコツ③ ポイント
●必ず説明を読む
とろみ剤の使用目安量は、メーカーによって異なりますので、必ず商品の袋や箱に書いてある説明をよく読んでください。
●市販のとろみ付き飲料を活用する
均質なとろみをつけるのが難しい場合は、すでにとろみがついている市販のボトル缶タイプの飲料(とろみ調整済み飲料)にも注目してみましょう。
外出時に携帯しやすく、スポーツ飲料やジュースなど、とろみ剤では均一なとろみを付けるのが難しい飲料も手軽に楽しめます。