水を飲むとむせる人は、とろみをうまく使おう(2)
水を飲むとむせる人は、とろみをうまく使おう(2)
~飲みたい・食べたいを叶える「とろみづけ」~
監修:管理栄養士 髙﨑 美幸 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社
3.一般的な食品のとろみづけの方法
とろみの付け方
片栗粉などのようにご家庭にある食品を使う方法と、市販されているとろみ剤を使う方法があります。
●片栗粉
料理でよく使うため、ご家庭に常備されていることが多い食品です。
長所 煮物、汁物、飲み物、あんかけのあん、炒め物など幅広い料理に使える
短所 加熱が必要で、冷めると粘度が低下するため、飲み物のとろみ付けには不向き
【ワンポイントアドバイス】
食べる人が飲み込みやすいとろみ加減に調整しましょう!
●コーンスターチ
コーンスターチも片栗粉もでんぷんから作られますが、コーンスターチはとうもろこし、片栗粉はじゃがいもが原料となります。
長所 やさしいとろみがつき、冷めても粘度が持続する
短所 片栗粉ほど強いとろみが付かない
【ワンポイントアドバイス】
温かい料理には片栗粉、冷たいスイーツなどにはコーンスターチというように使い分けるとよいでしょう!
●ゼラチン
水に浸してもどしたものを温水に溶かして使います。
長所 口の中で溶けながらゆっくりとのどに運ばれるので誤嚥しにくい
短所 冷やすと固まるが、温かい料理や飲み物にはとろみが付かない
【ワンポイントアドバイス】
冷たくする料理や冷たい飲み物に使うとよいでしょう
●とろみ剤
「とろみ調整用食品」とも呼ばれ、粉末や液状があります。直接加えて混ぜるだけでとろみが付き、ミキサーでの調理にも利用できます。
長所 加熱の必要がなく、熱い料理にも冷たい飲み物にも使える。水、お茶、スポーツドリンク、オレンジジュース、牛乳、みそ汁などいろいろな飲み物に利用できる
短所 唾液とまじったり時間がたったりすると、とろみが保てなくなる(離水が起きる)。食材によっては、とろみが付けにくいものや、味や風味に影響が出る場合もある。
【ワンポイントアドバイス】
ダマができないようにスプーンをくるくる回すだけでなく上下左右にも動かしてしっかり混ぜるのがコツです。
市販のとろみ付き飲料もおすすめ
店頭や通信販売で購入できる市販の「とろみ付き飲料」は、すでにとろみが付いているので、飲みたい時にすぐ飲めてとても便利です。自らとろみ付けをしてみた人から聞かれる、こんな悩みにも対応できます。
●市販のとろみ付き飲料もおすすめ
うまくとろみが付かない
→はじめからとろみが付いています。
●作るたびに粘度が変わり、ダマもできる→均一なとろみで、粘度のばらつきやダマの心配がありません。
●飲むたびに作るのは面倒
→初めからとろみが付いているので、とろみ付けの手間がいりません。
●外出先でとろみを付けるのは大変
→外出先に持って行けば、いつでもどこでもすぐに飲めます。
●とろみ付けして置いておくと固まる
→小分けで飲めて、粘度も安定しています。
●作りだめできない
→常温保存可能で、ストックも簡単。
市販のとろみ付き飲料を使う場合は、安全に飲めている(舌の送り込みに問題がない、のど仏が持ち上がる、誤嚥してもむせの力で排出して飲み込める)か確認しながら使うとより安心です。飲み込んだ後に「アー」と声を出してもらい、湿ったガラガラ声がなければ飲み込みが上手くできているというチェック方法もあります。