ムース食はどんな方におすすめ?(その2)
ムース食はどんな方におすすめ?(その2)
~対象者と上手な活用法を解説~
監修:管理栄養士 稲山
未来 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社
2.ムース食を取り入れる際のポイント
ムース食を取り入れる際には、何よりもまず、食べる方の機能や状態に合っているかどうか確認することが必要です。一口にムース食といっても、家庭で調理する手作りムース食、解凍や加熱のひと手間を加えて利用できる冷凍ムース食、ふたを開けるだけで食べられる調理済みの常温ムース食などがあり、市販品は種類も豊富です。各ご家庭の生活環境に合わせて選ぶことができますので、利用しやすい形態を検討してみてください。お試しいただく際のポイントと注意点を以下にまとめました。
①食べる方の身体の状態に適しているかを確認
これまでの食形態から変更するときは特に注意が必要です。医療従事者に相談したり、専門家の嚥下機能評価を受けることで、より安全に取り入れることができます。
②味、見た目、提供する際の温度に配慮する
ご家庭で手作りをする場合は、ミキサーにかけることで味が変わりやすい食材があるので、味見をしながら味の調整を行って下さい。きのこ類や青菜類は、えぐみが出やすい食材です。また、肉じゃがや筑前煮などは、食材をすべて混ぜずに、素材ごとに分けてムースにした方が味がわかりやすく、おいしく感じられるでしょう。
③栄養バランスを意識する
栄養の不足や、偏りがないように配慮しましょう。ご家庭で手作りをする場合は、攪拌の際にだし汁を加えると栄養が薄まってしまうので、栄養補助食品を添加することでタンパク質やエネルギーを強化することもできます。

④食べる環境を整え、できるだけ見守りを ムース食に限らずですが、食事への意欲や集中力、体調は日によって変動します。特に要介護者にムース食を提供するときは、今日うまく食べられたから明日もきっと大丈夫だと思い込まず、できる限り見守ることをおすすめします。
3.ご家庭から外食まで、広がるムース食の活用
最近のムース食は、病院や施設における嚥下調整食という位置付けだけでなく、いろいろなシーンで注目され、活用されています。ご家庭では市販のムース食が手に入るようになりましたし、見た目や味を自由に工夫できるため、外食においても新たな広がりを見せています。ここではムース食の利点や可能性に着目した、便利な利用方法や楽しい活用事例をご紹介します。
①日常の食事のなかで
ご家庭で市販のムース食を取り入れる大きなメリットは、食事づくりの負担を軽くできることです。時間や労力だけでなく、「ペースト食やきざみ食は喜んで食べてもらえない」という精神的なストレスも、ムース食が解決の糸口になることがあります。
②行事やイベントのメニューとして
お正月や敬老の日、クリスマスなど、四季折々の行事には食の楽しみが欠かせないものが多くありますが、ご家族と同じような食事をミキサーにかけたり刻んだりするのは大変です。また、頑張ってつくっても見た目から食事のイメージが浮かびにくいと食べてくれないこともあります。そのようなときに市販のムース食を使えば、ハンバーグやステーキなど晴れの日のメニューも展開しているので見た目にも楽しむことができ食卓も気持ちも晴れやかになるでしょう。

③旅行やお出かけ先の外食として
最近ではムース食や嚥下調整食を提供する旅館やレストランも増えてきました。旅行やお出かけの際にはぜひ調べてみてください。また、常温保存ができる市販のムース食であれば、旅行や外出先に持ち運ぶことも可能です。その際は訪問先のレストランで持ち込みのムース食を食べてよいか事前に確認をしておくとスムーズです。お店によっては持参した市販ムース食を温めてくれたり、食器に盛り付けてくれるところもありますので、問い合わせをしてみてください。
⑤プロによるムース食の出張サービス
プロの料理人がご家庭に訪問し、嚥下食の会席料理を提供してくれる、そんな嬉しいサービスも始まりつつあります。一流の板前さんが手掛ける嚥下食やムース食は、盛り付けも味わいも見事です。グルメな方もご満足いただける、まさにムース食ならではの可能性を活かした取り組みです。

【まとめ】
ムース食は、噛む力や飲み込む力が低下しても、安心しておいしく食べられる工夫がなされた食形態です。介護を必要としている方だけでなく、一般の方でも、もし食べることが困難な状況にあるときは、レスキューメニューとして便利に利用できます。外食や在宅向けの新しいサービスも広がりつつありますので、いろいろ活用して食の喜びを諦めることなく、ぜひ楽しんでください。

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