ムース食でビタミン・ミネラル・食物繊維は足りる?(その1)
ムース食でビタミン・ミネラル・食物繊維は足りる?(その1)
監修:管理栄養士 麻植
有希子 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社
#目次
1.高齢者に不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維とは?
・ビタミン
・ミネラル
・食物繊維
・どんな食材を選べばいいの?
べたつかず、舌でつぶせるほどやわらかいムース食ではむせが起きにくいため、摂食嚥下機能が低下した人にとって食欲増進の対策になります。しかし、食材の偏りから特定の栄養素が不足したり、調理過程で加水・加熱をするので一部の栄養素が失われたりすることが知られています。 そこで今回は、意識しないと不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素について解説します。手軽に補給できる食材選びや調理の工夫、栄養補助食品の活用法などを知って、できることからさっそく実践してみましょう。
1.高齢者に不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維とは?
それぞれの栄養素について、その働きや種類などを知っておきましょう。
ビタミン
ビタミンは体の機能を正常に保つ働きをする栄養素で、13種類あります。なかでも不足しがちなのは次のものです。
・ビタミンC:免疫力を保ち、皮膚や粘膜の健康をサポートする
・ビタミンB群:エネルギーの代謝や神経の働きに関与する
・ビタミンD:カルシウムの吸収を助け、骨の健康を守る
ビタミンは野菜や果物などに多く含まれますが、摂食嚥下機能が衰えると「噛みにくい」「繊維が口に残りやすい」と感じることがあり、摂取量が減りがちです。ビタミンが不足すると免疫力の低下や皮膚・粘膜のトラブルなどが起こりやすくなります。
ムース食をつくる際は、調理を工夫してビタミンを意識的に取り入れてみましょう。
ミネラル
ミネラルは体の機能を調整する栄養素で、次のようなものがあります。
・カルシウム:丈夫な歯や骨をつくるための主成分で、骨粗しょう症を予防する
・鉄:赤血球の材料。不足すると貧血の原因になる
・亜鉛:味覚を正常に保ち、免疫機能もサポートする
・ナトリウムとカリウム:体の水分量を調整し、筋肉の動きや神経伝達を助ける
ミネラルは乳製品や肉・魚に多く含まれますが、摂食嚥下機能が衰えると「さらっとした牛乳はむせやすい」「肉や魚はパサついて食べづらい」と感じることがあるため、乳製品や肉・魚の摂取量が減りがちです。カリウムや鉄が不足すると、低カリウム症や貧血なども起こりやすくなります。ムース食をつくる際は、積極的にミネラルを取り入れましょう。
食物繊維
食物繊維は人がもつ消化酵素で分解されないものの総称で、水溶性と不溶性の2種類があります。その働きは次のようなものです。
・水溶性食物繊維:消化吸収をゆるやかにし、血糖値やコレステロールの上昇を抑える
・不溶性食物繊維:腸内に溜まった不要な老廃物をからめ取ったり、便のかさを増したりして便通を促す
野菜・きのこ・海藻類に多く含まれますが、これらはミキサーにかけにくいためムース化しにくいと言われています。栄養補助食品などで食物繊維を補うことも検討してみてください。
どんな食材を選べばいいの?
それぞれの栄養素を多く含むムース食にしやすい食材の一例をあげました。選ぶときの参考にしてください。
・ビタミンC…かぼちゃ、ブロッコリー、じゃがいも
・ビタミンD…サケ、卵黄、きのこ類
・カルシウム…牛乳、ヨーグルト、豆腐、小松菜
・鉄…鶏レバー、ひじき、大豆製品
・亜鉛…牡蠣、うなぎの蒲焼、豚レバー
・カリウム…海藻類、納豆、さといも、アボカド
・食物繊維…ごぼう、モロヘイヤ、にんじん、豆類、きなこ
●栄養補助食品やサプリメントを活用
栄養バランスに配慮されたドリンクやゼリー、そしてサプリメントは少量で効率よく栄養を補給できるため、食欲がないときや食事量が少ないときに有効です。

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