高齢者の低栄養対策に!市販のムース食を使った1日分のモデル献立例(その1)

高齢者の低栄養対策に!市販のムース食を使った1日分のモデル献立例(その1)

監修:管理栄養士 麻植 (おえ )有希子 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社

高齢化や病気により介護が必要になった方のなかには、食べている途中で寝てしまったり、嚥下機能の低下などから1日2食しか摂れなかったりする方がいて、どうしたら効率よく栄養が摂れるのかと悩んでいるご家族が多いようです。
食べる量を増やす工夫をすることは大切ですが、それと同時に、食べる量が減っても、必要な栄養をしっかり摂る工夫も考えてみましょう。例えば、食べやすくて効率よく栄養が摂れる「ムース食」を活用することもその一つです。
そこで今回は、自宅でムース食を手作りする場合のエネルギーアップのコツをはじめ、手軽に取り入れられる市販のムース食を使った1日分のモデル献立例をご紹介します。

1.高齢者に低栄養が多い理由と、ムース食の有効性


高齢者が低栄養になる主な原因

高齢化や病気により低栄養を招く原因をおさらいしておきましょう。

●嚥下機能の低下
噛む力・飲み込む力が低下すると固形物が食べにくくなり、きざみ食やペースト食を摂ることに。そうした食形態の変化を受け入れられずに食欲が落ちる
。

●嗅覚・味覚の低下
食欲をわかせる匂いや味を感じる力が衰えると、食欲が低下する
。

●消化吸収能力の低下
加齢にともない消化液の分泌量が減ると、栄養素の吸収が悪くなり、以前と同じ量を食べていても栄養摂取量は減る
。

●運動機能の低下
活動量が減ることによりおなかが空かず、食事の回数が減る。

●疾患や薬の影響
上手に食べられずに食べこぼしが増えるなどして食欲が低下する、あるいは薬の影響で消化・吸収力が低下する
。

●独り暮らしや介護疲れ
調理が難しく、食事が単調になりがちで、栄養バランスが偏る
。

これらの原因から栄養不足が続くと、体力低下・免疫低下・フレイルやサルコペニアのリスクが高まります。

そこで、ムース食

十分な食事量を摂れない場合、「少量高栄養」の食事を摂る工夫が必要です。
在宅介護でこんな例があります。誤嚥性肺炎により入院し、病院ではミキサー食を食べていたので退院後もミキサー食を摂っていたところ、食べる量が低下して低栄養状態に。専門家のアドバイスで市販のムース食や宅配のムース食弁当に変えたところ、食べる量が増加し、栄養量もアップしました。
ムース食に変えたら、なぜ食べる量が増えて低栄養から抜け出せたのでしょうか?その答えは次のようなムース食のメリットにあります。

●安心して食べられる
きざみ食は細かくて食べやすい反面、むせやすくなるため不安で食事量が減る方がいます。そんな方もなめらかなムース食はむせにくいため安心して食べてくれる例が多く見受けられます。

●きれいな見た目に食欲がわきやすい
ムース食は食材ごとに分けてつくれ、さらにきれいに成形されているので、食欲をそそります。

●少量でも効率的に栄養を摂れる
手作りの場合はたんぱく質を豊富に含む食材などを使えば、少量高栄養がかないます。また、市販のムース食はたんぱく質を強化するなど全体の栄養バランスを考えてつくられているため、低栄養対策として有効です。

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