ムース食の導入で介護現場の負担はどう変わる?(その2)

ムース食の導入で介護現場の負担はどう変わる?(その2)

~病院、施設における導入成功事例~

監修:管理栄養士 稲山 未来 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社

3.実際の現場で活躍するムース食


●導入事例 【現場視点での導入】

特別養護老人ホーム 吾亦紅(われもこう)(埼玉県 蓮田市)
“形ある食事”で利用者のQOLに貢献
介護食の調理に時間と手間がかかるため、これまではペースト食しか提供できず、職員の中には「もっと見た目のある食事を食べさせてあげたい」という思いがありました。
そのような中で、和えながらつぶすなど柔らかさの調整ができる市販ムース食を導入。
喫食率が向上し、現在では月1000食ほどを継続採用しています。
「いまでは食事を提供することに罪悪感がなくなった」と語る職員の声が、導入の効果を物語っています。


〈稲山先生からのコメント〉
高齢者の食事においては、ペースト食に比べて、見た目で料理内容が分かる食事の方が喫食率が向上することが分かっています。上記事例のようにペースト食からムース食への移行は、喫食率の向上と低栄養の予防という視点からも有効と考えます。また、ムース食はスプーンでペースト状にできるため、まずは料理を目で楽しみ、食べながらスプーンで崩す「手元調整」によって、安全な物性へと調整しながら食事を楽しむことが可能です。

4.ムース食導入の効果と開始のヒント


ムース食の導入で変わったこと〈まとめ〉

●食事のメニューが華やかになり「おいしそう」と思っていただける食事を提供できるようになった。
→職員のストレスが減り気持ちがらくに。

●口腔機能に合った食べやすい食事が提供できるようになった。
→喫食率が上がり、栄養状態が改善。利用者やご家族の満足度向上。

●市販ムース食を調理の指標として活用した。
→食形態の認識、提供方法のブレが減り、調理〜介助の流れがスムーズに。

●常温保存可能な市販ムース食を備蓄用に導入した。
→非常時の食事対策が強化された。災害や停電時だけでなく、繁忙時や人手不足のときも頼れる選択肢が増えた。

導入するにあたってのヒントとアイディア

●いっぺんに全部を変えずスモールスタートで
まずは主菜から、週に2回から、など少しずつ段階的に導入することで定着しやすくなります。

●厨房調理の参考として市販品を活用
「このかたさで」と言われてもなかなか統一できない共通認識。市販ムース食を取り入れると目指す食感がよくわかります。

●アレンジでレパートリーを豊かに
→市販ムース食は種類も豊富。ご家庭の出汁で餡を作ってオリジナルの味つけにしたり、ペースト食のトッピングに使うなど、

 応用が効くのもムース食の特色です。

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