ムース食の5大メリット!(その2)
ムース食の5大メリット!(その2)
~高齢者の心と体に優しい食事~
監修:管理栄養士 稲山 未来 先生
制作・編集:メディバンクス株式会社
3.施設やご家庭ではこんな効果も
その日の体調に合わせて「手元調節」
ムース食はその独特のやわらかさによって、必要に応じて手元で簡単につぶせるため「今日はちょっと調子がよくなさそうだな」というときには、スプーンの背でなめらかにつぶしてから食べさせることができます。もしムース食にあんがかかっていれば、つぶして、あんと混ぜ合わせることで、ペースト状のやわらかさにも調節ができます。
これを専門スタッフの間では「手元調節ができる」と表現します。この手元調節がしやすいことも、ムース食ならではの大変便利なメリットです。




在宅介護での食事がラクに、気持ちもラクに
食が進みにくくなってきた要介護者に、少しでも多く食べてほしい。できるだけおいしく食事を楽しんでほしい。これは在宅介護をするご家族みんなの願いです。とはいうものの、食べやすく、味もよく、栄養もあるものを家庭の台所で毎回準備するのは大変なことです。
ムース食は、そうした在宅介護食のレパートリーを、比較的手軽に、豊かにできる食事であると思います。「これなら食べられる」「食べることがラクになった」という食事が増えれば、ご本人だけでなくご家族の安心感にもつながり、心の負担も減らすことができます。
4.ムース食を上手に活用するには
ムース食はいつもの食事の延長線上
ムース食というと特別な食事のように感じますが、ご家庭で手作りする場合は、ご家族と同じおかずが素材です。毎日の家庭料理に飽きることがないのと同様、家の味をムース食へとアレンジできれば、いつもと同じ家の食事が楽しめます。ときには要介護者ご本人の好物をムース食にしてもよいでしょう。器や型を使って見た目をよくする工夫もできます。
また、市販のムース食は、ちょっとしたテイクアウトメニューやお弁当感覚で楽しむのにおすすめです。見た目に工夫されたものも多いので、季節の行事や記念日、何か良いことがあった日の特別メニューとしていただいても、介護食生活に楽しみが生まれます。
介護する側も無理のないペースで
利点の多いムース食ですが、介護食=ムース食というわけではありません。口の機能の状態によってはムース食であっても飲み込みづらいという方もいます。逆にムース食にしなくても、通常食をやわらかく調理したものでも食べられるという方もいます。大切なのは、ムース食が食べるご本人の口の機能に合っているかどうかを見定めていただくことです。 要介護者の状態は一定ではなく、一日のなかでも変化があったり、また、長い時間を経て少しずつ変化していく場合もあります。食事の最中だけに限らず、日ごろから以下のようなリスクサインに気を配り、少しでも気になることがあったら医師や専門家にご相談ください。
●気をつけたいサインとその理由
1.食事中によくむせる……飲み込む力の衰えなどが考えられる
2.食事に時間がかかる……噛む力、飲み込む力の衰えなどが考えられる
3.食後に痰が増える……喉の奥でわずかな誤嚥がある可能性
4.体重の減少……十分に食べられていない可能性
5.頻繁に発熱する……誤嚥性肺炎の可能性があり注意が必要
ご本人の食べる機能に合っているか確認を
ムース食は介護者にとっても使いやすい食形態です。しかし、よく言われるネックが、どうしても調理にひと手間を要することです。最初はがんばりすぎず、一品から、週一からなど、少しずつから始めてみてください。
ご家庭での介護は想像以上に気力や体力を使うものです。ムース食を手作りする際には無理をせず、気持ちや時間にゆとりのあるときに楽しみながら取り組んでいただけると、負担を感じにくいと思います。

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